フィルムの気泡・スクラッチ検査:撮影検討の前に準備する情報

フィルムの気泡・スクラッチ・異物の欠陥検査を相談する前に整理する幅、ライン速度、最小の欠陥、透明度と照明、サンプルの準備とカメラの位置を、IntScan ProのラインスキャンとIntCloud Opticを前提にまとめました。

フィルムの気泡・スクラッチ検査の検討を依頼する前に、どんな情報を準備すればよいですか?

フィルムの幅、ライン速度、見つけたい最小の欠陥サイズ、そしてフィルムが透明かどうかと表面の状態を、まず教えてください。前の三つの値がカメラ台数と解像度を、最後の一つが照明の方向を決めます。正常な区間と欠陥のある区間の両方があるサンプルがあれば、撮影の検討が早く進みます。

蛍光灯にかざすと見えるもの

透明フィルムを1枚手に持って、蛍光灯にかざしてみてください。気泡と異物がすぐに見えます。同じ1枚を机に寝かせて上から見下ろすとよく見えず、頭を下げて斜めから見ると、ようやく細いスクラッチが光ります。

カメラも同じです。多くの場合、後ろから光を通す透過照明では気泡と異物が影のように浮かび上がり、表面のスクラッチは斜めから当てる照明でよく見えます。見つけたい欠陥がその両方なら、照明も二つ必要になることがあります。フィルム検査装置にカメラと照明が2組ずつ入ることがあるのは、このためです。

光沢の強いフィルムの打痕や擦り傷は、カメラと同じ方向から照らす同軸照明がよくとらえることもあります。光学ラボで透明フィルムと気になる不良、幅と速度を入れると、照明・光学構成12種類で作った予測画像を比べられます。計算で作った予測です。

そのためご相談では、フィルムが透明か、半透明か不透明か、光沢があるか、印刷やコーティングがされているかを最初に伺います。色と厚みがわかれば、あわせて書いてください。

四つの欠陥は、形から違います

気泡はフィルムやコーティング層の中に空気が閉じ込められて丸く見え、スクラッチは表面に線として残ります。異物はほこりやごみが中に入ったり表面に付いたりしたものです。しわは少し性質が違います。点や線ではなく、フィルムが折れたり波打ったりした形なので、張力や巻き取りの話も一緒にすることになります。

同じ名前の欠陥でも、会社によって許容するサイズと位置が違います。何mmから不良か、端と中央で基準が違うかを書いてください。この基準が、次に出てくる解像度を決めます。四つとも表面に見える欠陥だという点も押さえておきます。厚みや層と層の間の欠陥のように、表面の撮影では現れない項目は、別の測定方法もあわせて検討する必要があります。

四つの数字

  • 値: フィルム幅; 書く単位: mm; 何を決めるか: 一度に見る必要がある範囲、カメラ台数
  • 値: ライン速度; 書く単位: m/min(最小〜最大); 何を決めるか: 1秒に撮る必要があるライン数
  • 値: 見つけたい最小の欠陥; 書く単位: mmまたはµm; 何を決めるか: 1画素の大きさ
  • 値: 欠陥が出る頻度と位置; 書く単位: ロールあたりの個数、位置; 何を決めるか: 試験サンプルと判定基準

流れるフィルムはラインスキャンカメラで撮ります。幅方向に1ラインを撮り、フィルムが進む間に次のラインを撮ってつなぎ合わせる方式です。IntScan Proはこうした連続素材のためのラインスキャン専用の検査プログラムで、トリガ・エンコーダと連携してフィルムが動いた距離に合わせて撮り、検査レシピに基づいてOK/NGを判定します。幅が広くてカメラ1台の画素数では足りないなら、カメラを並べて置きます。

幅と速度、最小の欠陥サイズがカメラ構成にどうつながるかは、製紙ラインスキャンのガイドに計算例で説明しています。紙の代わりにフィルムを入れても、計算は同じです。

広く探し、疑わしければ近くで

IntCloud Opticは、広角・低倍率で広い範囲を一度に撮り、疑わしい部位は倍率を上げて再照準し、微細な欠陥まで確認する光学モジュールです。公開している適用現場にフィルムの異物・気泡検査があり、インテリズの実績表にも「フィルムの異物・気泡検査、ものづくり基盤工程の知能化に関する外部評価で適合」が載っています。

撮った画像から異物と気泡の位置と個数をボックスで見つける作業は、IntLearn Proの検出エンジン(IntDetection)が担います。結果とログ、画像はIntScan Proに一緒に残り、運用中の結果はIntViewer Proの画面で見ます。

サンプルは折らずに巻いて

サンプルを折って封筒に入れると、折り目がしわのように写ります。巻いて送ってください。正常な区間と欠陥のある区間が一つのサンプルに一緒にあるのがいちばんよく、欠陥の上には何も書きません。番号と欠陥の位置は、サンプルの端か封筒に書きます。

ロールが流れていた方向も矢印で残してください。スクラッチは方向によって見え方が変わることがあるので、方向がわからないと実際のラインと違う形で撮ることになります。写真を先に見せていただくときは、同じ距離、同じ照明で撮り、定規を横に置きます。

カメラをどこに置くか

場所は工程ごとに違います。コーティングの後ろに置けばコーティングで生じた欠陥をすぐにとらえ、巻き取りの手前に置けばロールになる直前の状態を見ます。どちらの場所でも、カメラと照明を置くスペースと高さを一緒に書いてください。ロールを交換するときやラインが止まるときに速度がどう変わるかも教えてください。エンコーダに合わせて撮っても、加速と減速の区間が長ければ別に話し合う必要があります。

欠陥を見つけた後に何をするかも、前もって決めておきます。欠陥の場所にマーキングするか、ロール内の位置だけを記録するか、警報を鳴らしてラインを止めるかによって、連携する装置が変わります。フィルム製造工程の欠陥検査の事例の要約は、欠陥をリアルタイムで確認して不良ロールを選別すると説明しています。

サンプル試験の結果を受け取ったら、見逃し・過検出・処理量の確認方法の四つの質問から聞いてみてください。